200519 本棚に本がある人
相変わらずの外出自粛期間。全社でリモートワーク中なので、会議もビデオ会議アプリを使用して行なっている。
本日もいくつか打ち合わせが入っていて、うち一つ、定刻になってURLをクリックすると、部署の先輩が一人待機していた。
私の部屋は4面の壁の1面に扉(ふすま)があり、もう1面にはベッド、もう1面はベランダに続くガラス戸、そして最後の面には本棚があるという作りなので、同居人が間違えて開けてもいいように、洗濯物が干してあってもいいように、そしてベッドに座るのもいかがなものかと思って、本棚の面が背景になるようにビデオ会議に出席している。
あまり本棚を見られるのが好きなわけではないが、かと言って絶対に見せたくない主義でもないので、ここが一番マシかって思ってそうしている。ビデオ会議で何か言われるわけでもないし。
冒頭の会議が始まる前、先輩と2人の時間のこと。
「本棚に本がいっぱいあると、なんか頭よく見えるよね。わたし全然読まないからさあ」
と、沈黙をやぶろうとしたその先輩がいった。
この先輩は悪気なく「なんか失礼」なことを言ってくるのだけど、やっぱりなんか失礼だな〜と実感する。頭よくありたくて本を読んでいるわけではないですよ、と思いつつ、「そうですか、あはは」と、流して終わった。
あなたが推しのライブに行くように、
あるいは、朝歯を磨いて顔を洗うように。
この世界には本を読む人もいるんだよ。
なんてことを思う。もちろん読まないからといって知力がないことの証左にはならないし、この「すごいね(わたしはしないけど)」みたいなのって、結局自分を卑下しているようで、受け手を見下しているような感じがするのはわたしだけだろうか。
なんてことを思っていたら会議がスタートする。べつにそんなもやもやは仕事には関係ないことだ。わたしとあなたの関係にはかなり水をさすような言葉だけど、わたしとあなたの関係はそもそもこの仕事にそこまで影響ないからね。とかなんとか思っていたら、会議が終わっていた。ちーん。
あいも変わらず雨。寒いし、鬱憤がたまったのでカラオケに行きたくなる。行けないし行かないけど。
早めにご飯を食べる。今日も今日とて、すごくすごく疲れたんだけど、わたしだけだろうか。
多分大きな大きなストレスがあって、気づいているけどいまはちょっと何もできない分、小さなことにあらがいたいのかもしれない。
同居人が隣の部屋で都市伝説の動画見ている。わたしもみようかな。信じることに意味のないようなほんとみたいな嘘の話とか底抜けに明るくなるストーリーが欲しいや。